先日読書ノートとして紹介した本『日本の中のユダヤ文化』に書かれている話題です。↓
この著者の久保氏は、あるユダヤ人から、日本人の遺伝子調査をやるべきだと言われたそうです。
そうすれば、日本人の中に古代イスラエル十支族の末裔が本当にいるかどうかわかるのではないかということです。
そこで、DNA遺伝子による先祖の調査をやっているところがあるということを紹介します。
なぜ先祖を知る必要が?
個人主義的な観点からいうと、「自分の先祖なんて知ったからといって、どうっていうことはない」ということになってしまいます。
でも、スピリチュアルな観点からいうと、自分の先祖を知ることは自分の魂が属している霊団とか家の魂・霊統を知ることであり、ひいては自分自身をよりよく理解することにもなるんですね。
自分の霊的成長にとっても、ご先祖さまの供養になるということからも、非常に大切なことだと思います。
普通に考えても、自分がどこから来てどこへ行くのかもしれずに、ただ漠然と人生を生きているよりも、自分の先祖についてよく知っていた方が、自分や家系のアイデンティティーをしっかりもって人生をよりよく生きられるというものでしょう。
で、先祖を知るにはどうすればいいか。
普通に考えたら、系図を調べるなどして、自分の家系を調べることでしょうね。
でも、系図なんて残されていない家もあるし、いろんな家庭の事情から、家系を調べるのが困難だという人もいるでしょう。
私もその一人です。
それに、系図といってもよっぽど由緒ある家柄でないと、そんなに昔に遡ってまで系図が残っていなくて、また残っていたとしても、自分の家柄を実際よりも良く見せようという目的で、家系の改竄はかなり普通に行われていましたから、系図というものも、どこまであてになるかはわかりません。
たとえばここに羽田さんという人がいて、先祖をたどると渡来人の秦氏にたどり着いたとします(羽田元首相のことです←由緒ある秦氏の末裔です)。
もし秦氏が本当に古代イスラエルの失われた十支族の末裔だとしても、現時点ではそれについて確たる証拠があるわけではありません。
では「確たる証拠」を得るにはどうしたらいいか?
『Family Tree DNA』によるDNA遺伝子の調査
そこで、こういう方法もあるということで、『日本の中のユダヤ文化』で紹介されている方法が、DNAによる調査です。
米国の『ファミリー・ツリー・DNA』というサイトで、一定の料金を支払うと、自分の遺伝子を調べて、どういう民族に近いかを教えてくれるというのです。
Y染色体調査や、ミトコンドリアDNAによる調査、そして、ユダヤ祭祀階級の遺伝子マークも調べてもらうことができます。
「コハニム(Cohanim)」と呼ばれるユダヤの祭祀階級(アロンの子孫)には、遺伝子に顕著な特徴があるそうなんです。
もしも日本人の中に、このアロンの子孫がもっている遺伝子が発見されたら、大変なことになるでしょう。
たとえそうではなかったとしても、自分の先祖が世界のどのへんから来たのかを知ることができるんです。
なんだかワクワクすることではありませんか?
わたしもぜひやってみたいものです。
http://www.familytreedna.com/
上記『Family Tree DNA』のサイトでは、自分の遺伝子を調べてもらうのに、いくつかのコースがあります。
ただし、上記サイトはすべて英語です。
このサイトの、「JEWISH ANCESTRY?(ユダヤ人の子孫?)」と題したページがあります。↓
http://www.familytreedna.com/jgene.html
ここを見ると、男か女かによって違いますが、次のような調査をしてくれます。
◎男性の調査(Y染色体による)
- 昔の父方の祖先がいたと思われる(世界の中での)地理的場所
- ユダヤ人の子孫である可能性
- コハニムの子孫かどうか?
- 先祖の昔の民族的起源
費用:149ドル
◎女性の調査(ミトコンドリアDNAによる)
- 昔の母方の祖先がいたと思われる(世界の中での)地理的場所
- ユダヤ人の子孫である可能性
- 先祖の昔の民族的起源
費用:129ドル
女性の場合だと、調査できる項目が1つ少ないので、それだけちょっと安いようです。
たとえば、もしあなたが秦氏の系統の家系である場合は、やってみる価値があるかもしれません。
たとえユダヤ人のDNAが入っていなかったとしても、自分の民族的オリジン(起源)がある程度推定できるというのは、ワクワクすることですね。
他にもいろいろなコースがあるので、上記のトップページを見てください。
ただし、すべて英語です。
上記の調査を依頼するにも、すべて英語でやりとりしなければなりません。
といっても、用意されたフォームに必要事項を記入するだけです。
あとは、DNA調査に必要なキットが送られてくるのを待つだけです。
テレビで見てご存知の人もいるでしょうが、DNAを採取するには、頬の細胞をちょっとばかりこすりとる必要があります。
このキットには、そのDNAのサンプルを取るための、採取用ブラシなどが含まれています。
ナショナル・ジオグラフィックの調査
『Family Tree DNA』の他にも、似たような調査を行っているところがあります。
『ナショナル・ジオグラフィック』がやっている、『ジェノグラフィック・プロジェクト』です。↓
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/genographic/
こちらの方は、上記の解説ページだけは日本語で書かれているので、英語が苦手な人にはちょっとだけとっつきやすいでしょう。
でも申込みは英語になります。
こちらは、99.95米ドル(送料・手数料は別)を支払うと、類似した調査をしてくれます。
ご承知のとおり、人類の祖先を遡っていくと、すべてアフリカにたどりつくことになっています。
この調査では、ある人のDNAによって、その人の祖先がアフリカを出発して、どのような経路で現在住んでいるところ(日本)にたどり着いたのかを、地図で示してくれます。
すでに調査を受けた日本人がけっこういるようで、ブログなどで報告を公表している人も見られます。
その中の何件かを、下記にリンクしておきます。
- http://satoshi.blogs.com/life/2006/01/dna_m122_.html
- http://through-the-forest.way-nifty.com/elephant/cat5291953/index.html
- http://genographic.synn.egoism.jp/?cid=17785
たとえば上記で1番目の人は、父方が中国南方を経由して渡来した「弥生人」系のようですね。
2番目の人は南方系で、東南アジアのどこかの島から九州へ上陸した人の子孫かな?
3番目の人は北方系から入ってきた人々(出雲族?またはもっと昔の縄文=アイヌ系?)かな?
…なんていうことは単なる推測で、本当のところはどうかわかりませんが。
そういうことに想像をめぐらすだけでも楽しいですね。
イヴの七人の娘たち
こういう調査の走りとしては、私が知る限りでは、おととしの読書コーナーで紹介したこの本の関連でしょう。↓
[読書]イヴの七人の娘たち
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20041027/eve
TVを見たり本を読んで知っている人も多いでしょう。
例の「人類の祖先をたどっていくと、すべて7人の母親(イヴの娘たち)にたどりつく」というやつです。
こちらのページで、この研究者であるブライアン・サイクス博士の調査を紹介しています。↓
http://www.sonymagazines.jp/mmt/200111080700.html
こちらが、その「オックスフォード・アンセスター」による調査の詳細のページです。
http://www.sonymagazines.jp/mmt/200111080710
こちらは、220ドルと、ちょっとお高いですね。
個人的には、やはり『Family Tree DNA』の方を申し込んでみたいという気持があります。
値段的にちょっと高くなるけれど、それだけの価値はあるでしょう。
「やってみたいけれど、手続きとか英語がよくわからない」という人がいたら、できる範囲でお手伝いしますよ。
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※こちらの記事で、補足を書いています。
- DNAによる祖先調べ〜補足
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20060717/dna