不思議な話が好きな人でも、「そんなの信じられない」と思うかもしれない。
バイオリズムなんて、普通に考えたら、(血液型と並んで?)擬似科学の最たるものだろう。
ましてや、バイオリズムで男女の相性がわかるなんて。
だが、自分の経験からすると、そうでもないのだ。
バイオリズムの相性については、たとえばGoogleで「バイオリズム 相性」で検索すれば、無料診断サイトのようなところがたくさん見つかる。
バイオリズムというのは、単純な計算式で算出できるので、コンピュータ処理がバカチョンなのだ。
プログラムなど組まなくても、Excelのワークシートで計算式をいくつか組み合わせれば、求めることができる。
そのようなバイオリズムのサイトがたくさんあっても、そもそもバイオリズムに根拠があるのかという問いに対しては、誰も答えてくれない。
バイオリズム理論は、19世紀にヴィルヘルム・フリース(1858〜1928)が提唱したもの。
フリースはベルリンの医師・数秘学者だった。
精神分析のフロイトの友人であり、また患者でもあった。
バイオリズムには、身体リズム(23日周期)、感情リズム(28日周期)、知性リズム(33日周期)がある。
そのうち、夫婦の相性として重要なのは身体リズムと感情リズムで、この相性率の平均値が60%以上であれば、夫婦生活をともにする男女として良い相性なのだという。
バイオリズムには、プラスの期間とマイナスの期間がある。
だが、プラスが好調でマイナスが不調というよりも、むしろプラスマイナス0となる要注意日に気をつけなければならないとされている。
たとえば11.5日に一度訪れる身体リズムの要注意日には、身体の状態が不安定になったりすると言われる。
感情リズムの場合、28を7で割り切れるように、要注意日は必ず同じ曜日にやってくる。
たとえば私の場合、1956年5月5日土曜日に生まれているので、2回に1回の土曜日に、感情リズムの要注意日が訪れる。
私が30年以上にわたって自己観察してきた結果では、たしかに要注意日となる土曜日に、感情が不安定になったりしやすい、というのがあるかもしれない。
もし本当に、このようなプラスマイナスの波があるとすれば、夫婦の間でこの波の位相のズレによって、合う合わないが出てくるのだろうか。
たとえば夫婦の間での身体リズムというのは、性生活にとっても重要となるという。
バイオリズムによる相性って、本当にあるのだろうか?
それ以前に、バイオリズムって本当にあるのだろうか?
私が十代の頃から長年調べてきた結果としても、「あるみたいだ」としか書けない。
そういう法則がどうもあるようだが、その説明原理はまったくわからない。
たとえば占星術のようなものだったら、現代の自然科学では否定されているものの、「星のチカラ」のようなものを仮定することによって、「そういうものなのかもしれない」と推定することはできる(実際あると思うが)。
だが、バイオリズムの場合は、そうはいかない。
23・28・33というような単純な日数の繰り返しによって、人間が生まれた日から始まる周期があるなんて、現行の科学でわかっている原理では、説明がむずかしい。
この数字は、天体の周期とか、自然界の何とも関係がないようだ。
ただ一つ、説明できるものがあるとしたら…。
角田忠信氏の有名な「日本人の脳」の研究かもしれない。
日本人と外国人では大脳左右半球の使い方が異なっていて、日本人はスズムシやコオロギの鳴き声でも大脳左半球(言語を司る)で聴くという。
そして、このような特殊な脳のはたらきによって、日本人は情緒的な面が発達し、自然と親しむ心が強くなるのだという。
その角田氏の研究によると、人間は、単純な日数の繰り返しというような後天的なサイクルに影響を受けて生きているらしいのだ。
たしか、『日本人の脳(続)』に書かれていたと思う。
「科学はオカルトよりも奇なり」だ。
この人の研究を見ていると、いつもそう思う。
あの研究は、どうなってしまったのだろうか。
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