昨日までの2日間は、古代イスラエル10支族シリーズのビデオ第3弾を制作していた。
資料の読み込みと、CC(Creative Commons)ライセンスの画像素材を探すのに、丸1日かかった。
今回は、「鳥居と過越祭」をテーマにしている。
それだけではなく、もっと色々出てくるが。
沖縄のシマクサラシという風習は、過越祭に酷似している。
茅の輪くぐりや蘇民将来の風習など、多くが古代イスラエルの風習と似ているのはなぜなのか。
また、東北地方などに見られる民間信仰のオシラサマと古代イスラエルのアシェラ女神に、なぜ類似点があるのか。
とにかく、まずビデオを見てください。
その後に、続きの記事を読んでください。
◎Lost Tribes #3 Torii and Passover イスラエル10支族:鳥居と過越祭
YouTubeサイトで、過去の2作の「インサイト」を見てみる。
これは、アクセス解析のようなものだ。
すると、日本以外には、米国からのアクセスが多いようだ。
なぜこういうことに興味をもつのかな。
単にクリスチャンだからか。
それとも、もしかしたらユダヤ系の人が多いのだろうか。
イスラエルからのアクセスが増えてくれることを期待しているのだけど、まだ0だ。
では、ここから恒例の(?)「Making of the video」を。
今回の内容は、#2に比べると説得力に乏しいかもしれない。
だが、シマクサラシと過ぎ越し祭が似ている件。
だからといって、沖縄の人たちがすべて10支族の末裔とするのは、無理がある。
それこそ「日ユ同祖論」になってしまう。
一つの可能性としては、琉球の島々に過越祭の風習を意図的に「広めた」人がいたということ。
シマクサラーまたはカンカー(看過)と呼ばれる風習は、沖縄本島だけでなく、離島まで広く伝播している。
また、沖縄にはキリスト教に似た伝承などが多く見られるのも興味深い。
もうひとつの疑問として、かつては本州にもシマクサラシと同様の風習があったかどうかだ。
中国の少数民族
鳥居の起源のところで、アカ族の村の門を紹介した。
たとえばお歯黒の風習など、日本と共通するところもあり、興味深い。
中国少数民族といえば、昨日の朝日新聞で、ペー族出身のヤン・リーピン(楊麗萍)という舞踏家が紹介されていた。
はじめ写真を見たときに、プリンセス天功さんかと思った。
歳が52歳とあるので、さらに驚いた。
- チベットへの敬意 踊りで表現 舞踊家ヤン・リーピン
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY201101310262.html
Wikipediaのペー族の項を見る。
牧畜の歴史が長く、漢族から「白人」と呼ばれている?
怪しいな。
中国の少数民族の中には、チャン族の他にも、10支族と関わりがありそうなのがいるかもしれない。
特に、昔から牧畜を行っていた民族の中に。
ペー族には、美人が多いのと、女性の衣装が非常にきれいだ。
チャン族
チャン族については、いままで何度か紹介してきた。
- チベット族チャン族=10支族の末裔か?
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20080515/chan - 四川省チャン族と日本人は兄弟か?
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20080612/chang
チャン族(羌族、Qiangまたは羌岷族、Chiang-Min)は、2008年の四川省大地震で、多くの犠牲者が出てしまった。
チャン族は、10支族の末裔だという可能性が高い。
だが、漢族との同化政策が取られていった結果として、以前にもっていたイスラエル的なものをかなり失ってしまったようだ。
同様に10支族の末裔と考えられている民族として、ミャンマー北部のカレン族、インド=ミャンマー国境地域のシンルン族がいる。
いずれも、チャン族から分かれていったと考えられている。
この2つの民族の方が、むしろイスラエル的な要素を多く残しているようだ。
このへんのことは、アミシャーブ(AMISHAV)代表のラビ・アビハイル氏の本に詳しい。
- 作者: ラビ・エリヤフアビハイル,久保有政,Rabbi Eliyahu Avichail,鵬一輝
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チャン族のことを探求するには、日本ではこの人しかいないという研究者がいる。
チャン族については、その松岡正子さんの本から貴重な情報を得た。
- 作者: 松岡正子
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四川のチャン族―〔ブン〕川大地震をのりこえて1950ー2009
- 作者: 李紹明,松岡正子
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血の輪
今回のビデオの中で、私が発見したものでは、「茅の輪=血の輪」説がある。
これについては、すでに4年前に記事で書いていた。
これについては、それほど自信があるわけではなく、あくまでも一つの可能性として考えてみた。
「茅の輪=血の輪」については、同意してくれる人がいるかもしれない。
類感呪術的発想だ。
問題は、その先だろう。
それよりも、今回の収穫としては、アザゼルの山羊にあるかもしれない。
チャン族の風習は、私が以前に『チャン族と四川チベット族』の中で見つけたものだ。
アザゼルの山羊の伝承を、日本の人形を川に流すなどの風習に結びつけるのは、以前からちょっと抵抗を感じていた。
だが、「アザゼルの山羊⇒チャン族の風習⇒日本の大祓などの風習」という流れで見ると、納得できるかもしれない。
このような変形があったとすれば、それは、神道では血の穢れを嫌うという大前提があったためだろうか。
そういう前提を仮定すると、いろいろな謎が解けてくるように思うのだ。
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