探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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東日本大震災の大津波「予測できた」


今日4/14(木)朝日新聞朝刊の記事より。
科学欄に、小さいが見逃せない記事があった。
『大津波「予想できた」 東大教授が指摘」』という見出し。
東日本大震災を起こしたM9.0の巨大地震東北地方太平洋沖地震)と大津波は「容易に想定できた」とする見解を、東大理学部のロバート・ゲラー教授(地震学)がまとめた。


ゲラー教授は、「想定外だった」という政府の地震調査委員会を批判し、地震の将来予測の見直しを求めた。
14日付の英国科学誌『ネイチャー』電子版で発表するという。


ゲラー教授は、過去100年以内に起きたM9級の地震が、チリやアラスカなどいずれも日本と同じ環太平洋地域で起きていることに注目した。
そして、「世界の地震を無視しなければ、時期の特定はできなくても、地震津波の規模は想定できた」と指摘している。


福島原発についても、厳しい意見を述べている。
東北地方では、明治三陸(1896年)や昭和三陸(1933年)など、20〜30mを越す津波の記録もある。
福島第一原発の設計段階で対策の検討は可能だった」としている。


政府の地震調査委が毎年発表している、主な活断層や海溝型の地震の将来予測については、「評価方法の信頼性が検証されていない」と批判する。
大きな揺れが予測される場所は、関東から四国や北海道の太平洋側などに集中している。
しかしゲラー教授は、2004年の新潟中越や2008年の岩手・宮城内陸地震など比較的確率が低い地域で被害が出た地震が頻発したことを指摘する。


「学問的に根拠がないことを続けるのは不毛で、国が公式見解として発表するのも問題」と、長期評価の廃止を求める。


このゲラー教授の意見が妥当なものであるとすれば、日本の地震予測に携わる科学者たちには厳しい意見が集中するだろう。
これだけ科学技術が発達したとされる日本で、しかも世界の大地震の5つに1つが起きているような地震国で、これだけ的をはずしたような研究ばかりやっていては、やはり問題視されても仕方ないだろう。
東日本の犠牲者の死を無駄にしないためにも、地震津波に対する予測について、根本的な見直しを行ってほしいものだ。

追記(4/15)〜ロイター通信のインタビュー

今朝、ロイター通信のサイトで、ゲラー教授へのインタビュー記事を見つけたので紹介する。


ゲラー教授は、現代の科学技術では地震の予知は不可能であり、日本政府は国民に対し予測不可能な事態に備えるよう呼び掛けるべきだと言っている。
地震学者が使用する予知機器などで一両日中に地震が起きると予知しようとしているが、このシステムは科学的に完全ではなく、中止すべきだと。
東海地震も含めて、「予知できる地震はない」と語っている。


朝日の記事では、大津波は予測できたと語っているが、「予測」と「予知」とは別のものと考えるべきだということだろう。

「想定外」は言い訳

津波に関しては、東北地区で過去にも巨大津波が2度発生していたと指摘し、沿岸部の原子力発電所は大津波にも耐えうる構造に設計すべきだったと批判する。
1896年の明治三陸地震で起きた津波は最大38メートルに達し、869年の貞観地震でも東日本大震災と同等の津波が観測された。
こういう記録が残っているのだから、政府や東電の言う「想定外」は言い訳にしか聞こえないだろう。


福島第1原子力発電所は、最大6メートルの津波を想定して設計されており、3月11日に観測された14メートルだけでなく、過去に発生した大津波の高さにも耐えられるようになっていない。
この点については、今後東電の責任が追求されるだろう。


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