探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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ノロウイルス大流行の兆し


ノロウイルスによる感染性胃腸炎が大流行の兆しを見せている。
厚生労働省の研究グループは、感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスで、患者から従来と異なる遺伝子変異が起きているウイルスを発見した。
変異したウイルスは、今年10月頃から全国各地で発見されている。
従来のウイルスとわずかな違いだが、免疫を持っていない人が多いため感染がさらに広がる可能性が高いという。


今年は九州を中心に広がっていて、過去10年間で患者が最多だった。
過去10年間で、2006年に次ぐペースで感染者が増加している。
東京都は12月6日に「流行警報」を発令した。

ノロウイルスとは

ノロウイルスは1972年に電子顕微鏡による観察でその形態が明らかになり、2002年に国際ウイルス学会で「Norovirus」と命名された。
乳幼児から高齢者に至る広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こすウイルスで、感染症は11月から3月の主に冬季に多発する。


感染から発症までの潜伏期間は1〜2日で、発症期間もそれと同じくらい。
吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの主症状があり、発熱は軽度(37〜38℃くらい)。
現在、有効な抗ウイルス剤はない。


以前は日本で「お腹の風邪」と呼ばれていて、ヒトに経口感染して十二指腸から小腸上部で増殖し、伝染性の消化器感染症を引き起こす。
死に至る重篤な例は稀だが、苦痛は非常に大きい。

特徴と症状

ノロウイルスの特徴としては、以下のようなことがある。

  • 下痢だけでなく嘔吐が多い
  • アルコールなどの消毒薬に対する抵抗性が強い
  • 高温・乾燥・酸・水にも強い
  • 多数の遺伝子があり、一度かかっても何度も感染する


また、感染した場合の主な症状としては、以下のようなものがある。

  • 嘔吐(突発的な激しい吐き気)
  • 下痢
  • 発熱(38度前後が多い)


このような症状は通常1〜2日で治癒し、後遺症が残ることもない。だが、免疫力の低下した老人や乳幼児では長引くことがあるので注意が必要だ。

感染経路

ノロウイルスによる感染症は経口感染が原因で、主な感染経路は以下の通り。

◎飲食物からの感染(感染型食中毒)
  • 食中毒:ウイルスを蓄積した食材や汚染された食品を飲食して感染。
  • 水系感染:水道水、井戸水などがウイルスで汚染され、その水を飲み感染。
◎ヒトからヒト
  • 感染者の糞便や嘔吐物から手を介して感染。
  • 感染者の糞便や嘔吐物に排出されたウイルスが付着し、飛散した飛沫から空気感染。
  • 感染者が十分に手を洗わず調理した食品を食べ感染。


今月中旬には広島市の弁当製造業で集団食中毒が発生し、1000人以上が食中毒のような症状を訴え、ノロウイルスが検出された患者がいた。
先週山梨県では、仕出し弁当でやはり1000人ほどがノロウイルスによる集団食中毒にかかった。


ノロウイルスでは、インフルエンザが流行した時によく使われたアルコール消毒剤などは効果がない。
手を良く洗うことが大切のようだ。
もっとも、前述のように買った弁当から感染するようなケースは、防ぎようがない。
コンビニも含めてなるべく弁当は買わず、自分の家で作ったものを食べるくらいだろうか。

どんな食品から感染するか

ノロウイルスによる食中毒では、7割のケースで原因食品が特定できていない。
だが、感染源になりやすい食品として知られているのは、カキだ。
その他の二枚貝も非常に多い。
生のカキや十分に火を通していない海産物から感染するケースが目立つ。

予防法

ノロウイルスに効くワクチンなどはまだないので、日常的に予防処置を取ることが大切になる。
感染を予防する対策の例を、以下に書いておく。

  • 帰宅時、トイレの後、食事前に石鹸と流水でよく手を洗う(これが一番大事)
  • カキなどは生で食べない。
  • 二枚貝の調理は中心部まで十分に( 85℃以上の温度で1分間以上 )加熱する。
  • 外食や市販の弁当をなるべく控える。
  • 発症して治癒しても1週間〜1ヶ月位ウイルスを排出することがあるので、そのような人になるべく近づかない。
  • 調理器具や調理台は「消毒」して、常に清潔を保つ。
  • 魚、肉、卵などを取り扱うときは、その前後に必ず手指を洗う。
  • 肉や魚を切った包丁や箸で野菜などを扱わない。

感染したら

もし感染しても、夜中にあわてて病院へ駆け込んでも、でできるのは脱水に対する点滴ぐらい。
軽症の下痢・嘔吐なら自宅安静で良い。
Twitterなどでは、「症状が軽微なら受診は不要」と言っている医師も少なくない。
特に小さな子供やお年寄りは脱水になりやすいこともあるため、病院へ行った方が良いだろう。


YouTubeで、参考になる動画を見つけた。
医療関係の研修の事前学習教材のようだが、それほど難しい内容ではない。


※現在、インフルエンザも流行している。
ノロウイルスとインフルエンザは、同時に感染して発症することもあり得るそうだ。


ノロウイルスの基礎知識


【参考サイト】

Wikipediaノロウイルス


改訂ノロウイルス現場対策―その感染症と食中毒 つけない・うつさない・持ち込まない

改訂ノロウイルス現場対策―その感染症と食中毒 つけない・うつさない・持ち込まない

ノロウイルスのノウちゃん (うつる病気のひみつがわかる絵本)

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