【内外大地震発生情報】
今日7/6 12:19(日本時間)、米国カリフォルニア州南部でM7.1の内陸直下地震が発生した。
昨日の記事で紹介したように、前日にM6.4の被害地震が起きたばかりで、震源はその付近だった。
3週間前に同州のカリフォルニア湾でリュウグウノツカイが捕獲されたが、ちょうど日本では「リュウグウノツカイと地震の関係は『迷信』」と決めつけられた研究が報道されたばかりだった。
カリフォルニア州M7.1
地震の詳細は、以下の通り。
Time
2019-07-06 03:19:52 UTC
2019-07-05 19:19:52 -08:00 at epicenterLocation
35.766°N 117.605°WDepth
- 0.86 km (-0.53 mi)
震源は、サールズ湖という湖から西へ20kmほどの地点。
昨日7/5 2:33(日本時間)に起きたM6.4の地震は、震源の深さが10kmほどだったが、今日の震源は0.86kmと浅かった。
下記のGoogleEarthのように、無数の余震が発生している。
リュウグウノツカイが出現していた
実は、カリフォルニア州では、約3週間前の先月6/14にカリフォルニア湾でリュウグウノツカイが捕獲されていた。
そのことは、今朝の「ハザードラボ」のニュースでも「リュウグウノツカイ M6.4地震の3週間前 カリフォルニア沖に出現」と題して取り上げられていた。
バハカリフォルニア半島で、釣り旅行に訪れた兄弟が、浅瀬に打ち上げられた生きたリュウグウノツカイを発見したとのこと。
発見場所は、下記GoogleEarthのマップに書き入れたように、カリフォルニア湾の奥のあたり。
前述のハザードラボの記事では、「珍しい深海魚との遭遇に、大喜びしていたが、その3週間後にカリフォルニア州で発生した巨大地震との関連を疑う声が高まっている」とある。
はたして、リュウグウノツカイの出現は地震の前兆だったのだろうか。
出現から地震までの遅延は22日。
その地点から震源までは、約600kmある。
リュウグウノツカイは前兆か?
前兆であるかどうかの判断にあたって、この600kmの距離が問題となる。
日本でいうと、大ざっぱにいって東京-岡山間ぐらいだろう。
だが、私がいままで収集してきたデータと比べると、M7.1という規模を考慮すると、この距離は前兆現象と判断するのにそう無理な距離ではないかもしれない。
下記の表は、リュウグウノツカイ出現後に地震が起きた事例で、特に顕著だと思われるものを抽出している。
ただし、500kmとか600kmとかになると、特に規模が大きい地震であることが抽出条件で、あくまでもこれまでの私の研究による印象によるが、このくらいの距離だとM3~M4クラスの地震では、違うかもしれないと考える。
上記の表では、ちょうど今年に入って北米から南米にかけて3件ほど起きた地震の前にリュウグウノツカイが出現していたのが印象的だ。
リュウグウノツカイ出現は本当に「迷信」なのか??
それにしても、ハザードラボさん、よくぞ書いてくれましたという感じだ。
もちろん、その背景には、東海大学などによる例の研究がある。
そのことは、6月下旬に大々的にメディアで取り上げられた。
朝日新聞の記事では、「深海魚の出現は、大地震の前触れ――。こんな言い伝えは「迷信」で根拠がないと、東海大海洋研究所と静岡県立大のグループが26日発表した」とある。
【地震】日本時間今日7/6 12:19に、カリフォルニア州中部の前日にM6.4の地震があった付近で、今度はM7.1の内陸地震。広大とはいっても近隣の町での被害が懸念される。同州では3週間前にリュウグウノツカイが出現したが、本当に「迷信」なのか??#リュウグウノツカイは迷信? #リュウグウノツカイ #皆既日食 #カリフォルニア #地震 #地震予知 #地震前兆 #地震予測 #LINE
東海大などの研究について今まで書かなかったのは、じっくりと吟味する余裕がないからだ。
報道によると、調査の条件として、「マグニチュード6以上の地震」を抽出して調査したとあるが、私はまずこの部分が引っかかる。
なぜならば、リュウグウノツカイにしても深海ザメなどにしても、必ずしも大地震の前に出現するとは限らず、ものすごく近場か、または短時間の遅延の後で地震が起きた場合では、M3~M4クラスの地震の場合もあるのではないかと考えているからだ。
動物前兆現象は「役立たない」か?
この研究にあたった織原義明特任准教授は、「言い伝えが事実であれば防災に有益だと考えたが、そうではなかった。信じられている地方もあるが、地震の予知に役立つとは言えない」という。
誰も、はじめから深海魚などを「地震の予知に役立つ」ことを期待してはいないのではないか?
科学者ならば、電磁波なりの地震前兆現象をそれなりの測定器で測定すれば良いという話だ。
実際は、「迷信」という表現は使っていないかもしれないが、そのように報道されているように、実質的にはそう言っているのに等しいのではないか。
だが、実際は過去に地震学者などの科学者が少なからず、リュウグウノツカイや深海魚やその他の動物の異常行動を真剣に研究ししていた事実がある。
その中には、「お魚博士」と呼ばれた魚類学者・末広恭雄東京大学名誉教授、力武常次東京大学名誉教授、池谷元伺大阪大学名誉教授などがいる。
このような錚々たる科学者諸氏が、長年にわたって「迷信」を一生懸命研究してきたというのだろうか。
東海大などの研究によって、一般の人々が「そうか、リュウグウノツカイや魚類の前兆現象なんてないんだな」と思い込んでしまい、そのような現象を目にしても無視するようになって、それによって大地震や津波の犠牲になってしまったら、どうするのだろうか?
このような研究を行って公表した人々は、多くの犠牲者が出てしまった後で、どう責任を取るのだろうか?
イタリアでは、正しい地震予知ができなかったとして科学者たちが多くの命を奪ったとして罪に問われたことがあった。
そのようなことが日本では起きないだろうとしても、人の命に関わることは、そのことを肝に銘じて研究にあたってもらいたいと切に願う次第だ。
今回、リュウグウノツカイと地震との関係が全く見いだせなかったとして、それは自分たちの研究にあたって条件設定などに考慮不足があったからということは無いのだろうか?
繰り返すが、人の命がかかわってくることは、くれぐれも慎重に検討していただきたいものだ。
【参考】