今夜NHKで『豪雨災害 いま何が必要か 命を守る”避難”スイッチ』が放映されたが、ここでは水害などの際に避難する決断の難しさ、大切さを見る人々に考えさせられた。
「令和2年7月豪雨」
今夜21時からのNHKテレビ『豪雨災害 いま何が必要か 命を守る”避難”スイッチ』は、災害からの避難ということで非常に考えさせられる内容だった。
今回の水害は「令和2年7月豪雨」と命名されたようだ。
熊本県、福岡県、鹿児島県、大分県、佐賀県、長崎県、岐阜県、長野県などで、大きな被害が出た。
そして犠牲者は60名を超える。
この水害では、2018年 西日本豪雨を大きく上回る被害となった。
避難するか、しないかの決断
私は、テレビの前に座って番組を見るという習慣がなく、いつもPCの前に座って、隣にあるテレビをつけながら仕事をする。
19時や21時のニュースは見逃したくないので、NHKをつけっぱなしにすることが多い。
民放のバラエティー番組をつけておくこともあるが、あまり真剣には見ない。
NKHをつけっぱなしにしておくと、今夜の番組の紹介があり、このような重要な番組は事前にチェックしなくても、見逃すことは少なくなる。
番組で紹介された、ある家族の例。
7/3に、球磨村の降雨が一時的に小康状態になったので、避難しなかった。
日付が変わり7/4の3時頃に防災無線で住民に避難を呼びかけたが、未明のため人々は避難が困難だった。
やはり、タイミングとしては前夜に避難すべきだったのだ。
この家族の場合は、素人判断で避難しないことを選択したことが誤りだった。
たとえば、昨年2019年7月13日に球磨川流域に「洪水注意報」が発表された時にも、「【警戒レベル2相当情報[洪水]】球磨川では、氾濫注意水位に到達し、今後、水位はさらに上昇する見込み」とあった。
球磨川の流域に住んでいるならば、そのような情報には常に目を光らせておかなければならない。
「千寿園」
熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」では、入所者14人が亡くなった。
番組によると、車いすの人は4人がかりで2階へ持ち上げる必要があったという。
その最中に、洪水が襲った。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200711/k10012510201000.html:bembed
NHKのニュースによると、球磨村に住む86歳の女性は、普段からデイサービスで千寿園を利用していた。
7/3夜には、職員の薦めで千寿園に避難し、泊まっていた。
夜は1階でぐっすり寝ていて、雨が降っていることも知らなかった。
すると、朝6時頃に起こされて、屋上に避難するよう指示された。
そして車いすに乗せられ、屋上に上がった。
その後に、自衛隊の救助が来て助けられたという。
女性は普段は一人暮らしで、自宅は豪雨で被災した。
命は助かったものの、帰るところがないという。
千寿園の立地
千寿園の建物を、Googleストリートビューで見てみる。
平屋部分と2階建て部分があり、ニュースによると屋上もあるらしい。
だが、エレベーターはなかったのか、または停電か何かで使用できなかったのか。
ストリートビューで河畔から歩いてみると、高低差はそれほど無いようだ。
そもそも、このような土地に老人ホームを建てること自体に問題がある。
球磨川からの距離は300m~400mくらいだ。
どうしてもこの土地しかないという場合は、土台をかさ上げするとか、お年寄りの居室は2階にするなどの配慮が必要だったのではないか。
みなさんも、ご家族や親戚のお年寄りが老人ホームに入られている場合は、災害発生時の安全性や避難体制を再度確認されると良いでしょう。
自宅にとどまった家族
番組では、次に3世代で自宅にとどまった一家が紹介された。
集落が孤立し、動きが取れなくなった。
そして4日後に、自衛隊ヘリで救出された。
この家族も、命に別状はなかったものの、自宅にとどまるということは危険をともなう判断だったようだ。
水害でも、地震でも、火山噴火でも、津波でも、「想像もできなかった」ことが容易に起きる。
人類は自然に打ち勝てない。
みなさんも、たとえ今回の豪雨で被害に遭わなかったとしても、水害・風害・地震・噴火・津波など、様々な災害の場合を想定して、防災対策を練っておくと良いでしょう。
うちでは、あるとしたら超大型台風くらいで、こればかりはどんなに安全な土地に住んでいても防ぐことは難しい。
台風に負けない頑丈な家に住むしかない。
【動画】